「中折れ式」のアイデアで、コンクリート舗装の工期短縮を実現

 降雨などによる路面上の水は、すみやかに排水しないと、水はねや車のスリップ事故の原因になります。そのため、道路には端に向かって勾配(傾き)があります。2車線道路の場合は、中央線から左右の路肩に向かって勾配を設けています。
 左右の勾配が異なるため、コンクリート舗装では片側1車線ずつ施工を行うのが常識でした。それではセッティングが2重になったり、片側のコンクリートが硬化するのを待たないと工事が進まないなど、時間がかかってしまいます。
 もっと短工期で強靭な道路を作れないか‥‥。NIPPOの機械エンジニアの「執念」は、既成概念を覆した「両勾配フィニッシャ(Graduent Adjustable Concrete Finisher」を生み出しました。2車線同時施工を可能にした「中折れ式」というアイデアを実現するのには数多くの難題が潜んでいました。しかし、豊富な経験で次々に乗り越え、実用化に至ることができました。
時間がかかる1車線ずつの従来の施工
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「両勾配フィニッシャ」は、コンクリートを平らに敷くスクリードを「中折れ式」にしたコンクリート舗装機械です。勾配の異なる2車線を同時に舗装することができます。

2車線を同時に施工することで、1車線目施工後の養生待ち、型枠撤去、施工の準備や機械の移動等が不要になり、大幅に工期を短縮することができます。

コンクリートを敷きならす「コンクリートスプレッダ」、締固め・荒仕上げの「コンクリートフィニッシャ」、最後に平坦に仕上げる「コンクリート縦仕上げ機」と、一連の作業を行う全ての施工機械を両勾配対応にしました。


「両勾配フィニッシャ」による2車線同時施工の様子
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コンクリート舗装の道路延長は4.5%に過ぎませんが、トンネル寒冷地飛行場(飛行機が待機するエプロン)などで多用されています。基本的には鉄筋や型枠を設け、そこに固い舗装用生コンを平坦に充填し、固結するのを待って完了となります。NIPPOはコンクリート舗装における作業の効率化・高品質化を目指して、多彩な機械を生み出してきました。
薄くて強固なコンクリートを敷く
薄層用フィニッシャ

橋の上を通る車両の重みを橋桁や橋脚に伝えるコンクリート部を床版(しょうばん)といいます。この補修に強靱な繊維入りコンクリートを薄く敷くための機械です。 (中小橋梁用床版上面増厚工法「スマートオーバーレイ工法」)
生コンを連続して供給可能に
コンクリートスタッカ

作業スペースが狭いトンネルなどでコンクリート舗装を行う際、ポンプ車では送れない舗装用生コンを連続的に供給する機械です。作業効率が格段にアップしました。 (無型枠施工「スリップフォーム工法」)
狭い場所でもUターンできる
自走式ターンテーブル


トンネル内や橋梁上など、作業スペースが狭い場所では、生コン用のダンプトラックなどが方向転換できるよう、自社開発したこの機械が活躍します。