日本車の性能向上に世界屈指の舗装技術で貢献

 高度経済成長とともに、自動車の交通量は急増する一方、国内の道路網は貧弱なままでした。その解決策の1つが、高速道路網の整備でした。
 1961年(昭和36年)、日本初となる高速道路の建設工事、「名神高速道路」山科舗装工事をNIPPOが特命で施工。その出来栄えは米国の技術者から高く称賛されました。
 この完成した高速道路上で、日本車と外国車の走行テストが行われ、日本車の性能が外国車より大幅に劣ることが判明しました。 そこで、自動車の性能向上を図るため、国内最大手の自動車会社が専用のテストコースを建設することになり、NIPPOが施工しました。日本の自動車を世界に広めるため、舗装から貢献したいという強い「使命感」の下、最急勾配42°の湾曲面を有する「バンク」を舗装するという世界屈指の技術を生み出しました。
名神高速道路山科舗装工事の施工風景
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テストコースでは、自動車がスピードを落とさず、高速のままカーブを曲がれるよう、最急勾配42°の湾曲面舗装をつくる必要がありました。しかし、そのような施工機械はなく、当時の技術では夢のような話でした。

技術の漏えいを避けるために社内のみで機械を試作するも、目指す精度の湾曲面ができず、当時の機械エンジニアはその難しさに挫折寸前でした。しかし、担当重役が「世界に存在しない技術を開発しよう」と鼓舞し、NIPPOの英知を絞って、成功に導くことができました。

このテストコース(高速周回路)は高く評価され、その後の国内の自動車メーカー各社に加えて、自動車部品、タイヤの各メーカーのすべてのテストコースをNIPPOが施工。日本車の性能向上に貢献しました。「技術のNIPPO」の名を世界に轟かせ、今では海外でも数多くの施工実績を有しています。


一般財団法人日本自動車研究所テストコース

 

 


  機械開発用に築造したバンク(1965年)               湾曲面を精度よく舗装(社内での試験施工)     施工中の様子

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自動車テストコース用に開発したNIPPOの斜面・法面舗装機械は、自転車競技場競輪場サーキットなどの走路の他、堤防やダムの斜面などにも広がっていきました。斜面・法面の舗装技術はNIPPOの独壇場、世界のナンバー1の技術力といっても過言ではありません。
日本の多くの競輪場を施工
自転車競技場・競輪場

競輪場のカーブの部分である傾斜したアスファルト舗装は、「サポータ」がワイヤーで舗装機械を吊り下げて施工を行っています。 (「自転車競技場・競輪場走路舗装」)
堤防を守るために
アスファルトライニング

堤防の斜面をアスファルト舗装で強固にするため、斜面の天端に「ウインチサポータ」を配置し、ワイヤーで施工機械を上下させて施工します。
アスファルトを連続して供給
アスファルトスタッカ

アスファルトの表層をスムーズに仕上げるためには連続施工が必須です。そのため、アスファルト合材を連続して供給できる機械を生み出しました。