社外取締役インタビュー

当社では、社会インフラの整備を担う企業集団として、将来にわたって安定成長を継続するため、中長期的な企業価値の向上やそれを支えるコーポレート・ガバナンスの強化などに取り組んでおります。
当社の代表取締役社長と社外取締役2名に、当社の社風や企業価値の源泉、コーポレートガバナンスに対する印象や将来性などを質問しました。

社会に貢献できる会社が良い会社のバロメーター 社外取締役 上田宗央

選任理由

株式会社パソナをはじめとする企業の経営を通じ、会社トップとしての豊富な知見と経験を有しており、建設業界以外の視点に立った経営に対する有益な指導・助言を行い、客観的かつ公正な立場で経営の監督を行う相当程度の知識を有していると認められるため。

略歴

1971年4月 ブリストルマイヤーズ株式会社入社
1983年8月 株式会社テンポラリーセンター入社
1988年1月 株式会社パソナ
常務取締役国際事業部長 兼 事業開発部長 兼 株式会社パソナアメリカ 代表取締役社長
2000年6月 株式会社パソナ 代表取締役社長
2004年10月 株式会社プロフェッショナルバンク
代表取締役社長
2007年4月 同社 代表取締役会長(現任)
2017年6月 当社 社外取締役就任(現任)

“インタビュー

『 上田社外取締役は人材派遣業界大手の株式会社パソナ様の社長等を歴任されましたが、当社の社外取締役に就任される以前の経緯をお話しいただけますか? 』

メーカーに勤めていた30代半ば、思う所があって、ベンチャーという世界に飛び込みました。「人材派遣」という言葉がなかった時代、知り合いが始めた人材派遣ビジネスのメンバーに加わりました。以来、パソナと共に私のキャリアが形成されたと思っています。
 新しい事業を創造するというのが好きで、入社当初は事業創造の担当として、いろいろな事業を立ち上げました。そのため社長という経歴が20社ぐらいあります。2000年からはパソナの社長に就任し、株式上場も果たしました。56歳の時に退任し、もう一度新規事業をやろうと、ヘッドハンティング事業を行う株式会社プロフェッショナルバンクを設立し、現在に至っています。

『 当社の企業風土について、どのような印象を持たれていますか? 』

「真面目な会社」というのが第一印象です。そして、きめ細かい経営がされていると感じました。特に、管理会計では、細かい点もしっかりと捉えていること、さらに、データ収集や分析が非常に早い。その結果が、すぐに経営に反映できるようになっていたことに驚きましたし、感心しました。例え小さなことでも1つひとつ大事にされている印象です。この大事にされる、真摯に取り組むという姿勢が、NIPPO全体の社風をつくっているのではと思います。
 また、社会インフラの整備に携わっていることへの強い意識の表れなのか、経営面も安定成長をベースに掲げている会社という印象を抱いています。

『 現在、当社は、国内各地にグループ会社を設立もしくは資本参加して、全国展開を図る施策「地域戦略」を進めています。道路舗装業界のみならず、建設業界でも類がない展開ですが、社外取締役としてどのようにお考えでしょうか? 』

細かなニーズ、あるいは地方のニーズというものに、地域密着で取り込んでいくという事業戦略が行われていると考えます。現在の事業環境から将来のことを考えると、取り得る選択肢がいくつかある中の、ベストな方策の1つではないかと思います。

あえて一般論で言わせていただきますと、どんな事業においても、細分化するか、あるいは大きく統合するか、という選択肢があります。細分化する施策を執った際には、これまで細かすぎて見つけられなかったニーズを掘り起こし、新しいサービスを生み出せるメリットが期待できます。一方、細分化すればするほど、グループ全体のコーポレートガバナンスやコンプライアンス、経営管理、技術伝承、品質管理等々、それらに費やすエネルギーが増していきます。そのため、コミュニケーションを良くするとともに、やるべきことをきちんとやる姿勢が不可欠だと考えます。

NIPPOという会社の武器の1つは「技術立社」だと感じています。この素晴らしい武器を大事にし、他社と差別化を図ることはなにより大事なことだと思っています。

『 当社の経営陣に対して、どのような印象をお持ちですか? 』

一言で言うと、率直な経営者の方々が揃っている印象を持っています。従って、そこから発せられる経営施策は、飾らない、透明性のあるもののように感じます。そのため、社内の上から下へ、もしくは横同士のコミュニケーションがスムーズなのではないでしょうか。

『 社外取締役として果たすべき役割や会社から期待されていることは? 』

社外取締役は、役割が非常に明確になっています。事業環境や方向性などをきちんと理解した上で、独立性、第三者の目、そして私個人の知見や経験をもとに意見を述べたり、モニタリングするのが使命だと思っています。

それらを踏まえて、取締役会に出席していますが、非常に好印象を受けています。私が着目しているのが、議題あるいは議案の数です。バランスの良い経営を行っていくために、きちんと議題が上程されているかを判断します。内容も相応しく、バランスが取れています。また、準備されている資料も、多様な視点から考察するとともに、予め疑問に答える内容になっています。

社外取締役の発言回数が多く、鋭い指摘内容をすることが良いとする見方もあるかもしれません。しかし、ただ分からないから質問したという発言回数をカウントしたり、細部を突っつく指摘をするというよりも、事業を理解した上で客観的な視点、俯瞰的な視点で論じる方が重要だと考えます。

NIPPOの取締役会では、将来的な内容よりも、現時点での経営判断が求められている議案がほとんどです。事前の準備が行き届いていて、事前によく議論がなされていると思いますので、その点でも取締役会の健全さが表れていると考えます。今後、世の中の変化や要求事項に合わせて、既存の延長ではない視点が求められると思います。その際は社外取締役として、今以上に発言の場が増えるのではないかと考えています。

『 当社はJXTGホールディングス株式会社と親子上場の関係にありますが、経営の独立性は確保されているとお考えでしょうか? 』

「独立性」にはいろいろな定義がありますが、例えば親会社の権限や論理でもって、決定したことに反対したり、何かを押し付けていないか?も判断基準の1つかと思います。NIPPOでは、事業内容が異なるからかもしれませんが、そういうことは起こりえない体制が整えられていますので、皆無に近いと思っています。

『 社外取締役の役割の1つとして、「独立した立場で、少数株主その他のステークホルダーの考えや意見を取締役会に反映させているか?」とコーポレートガバナンスコードで示されていますが、いかがでしょうか? 』

もちろんです。少数株主も大事ですし、ステークホルダーも全部大切ですから、関係する皆様の代理人であるという意識で出席しています。ただ、ステークホルダーの目線は多岐にわたりますので、何を一番大切にするか、私自身も自問自答することが多いです。

『 良い会社の条件というのは、どういうものだとお考えでしょうか? 』

会社は何のために存在するのか、何のためにあるべきなのか、真摯に考えることが大事だと思っています。最終的な答えは、社員の方々のためにも、ステークホルダーの方々のためにもなることではないかと考えています。そういう意味では、社会インフラの整備という、社会的に重要で、意義が深いことを事業の主体としていることは幸せなことではないでしょうか。

つまり、良い会社というのは、良い事業を通じて、社会の役に立つこと、言葉を換えれば、社会に貢献できる会社が良い会社のバロメーターだと思います。その継続のために、環境を常に改善できる会社が、さらに良い会社になっていくことでしょう。ここでいう環境というのはたくさんの要素がありますが、私は実際に事業を遂行する従業員にとっての環境、それを整えることが一番大事だと思います。

『 昨今、各企業で取り組んでいる「働き方改革」にも通じると思いますが、どう思っていますか? 』

「働き方改革」は、世の中の1つの傾向ですので、どの会社も力を入れているところだと思いますが、もともと最も大切なことだと思います。

「働き方改革」には3つの側面があると考えます。1つ目は物理的な側面です。いわゆる労働環境、例えば労働時間の削減であったり、オフィス環境の整備といったことです。2つ目は、人間誰もがストレスを感じたり、不満を感じたりします。そのような問題を解決する環境が整っているか。ストレスをゼロにすることは不可能ですが、少なくともストレスを多く抱えている従業員をすぐに見つけられたり、自ら手を挙げやすい仕組みができていたり、誰かに気軽に相談できたりすることが大事です。3つ目は、やりがいや働きがい、仕事のしがい、モチベーションといった、働く人の意欲が向上していく会社であること。この3つをバランスよく実現している企業であることが大事だと常々思っています。

『 2018年度を初年度とする「中長期経営ビジョン」や、当社の将来やビジョンについて、どのような印象を持っていますか? 』

端的にいいますと、安定成長を志向するNIPPOの思想が感じられます。将来的にも安定した成長を目指すということが示されています。それは大事なことです。

そうは言っても、「働き方改革」も、IoTといった技術的な進化もそうですが、世の中はどんどん変化しますので、変わらないといけない場面は多々出てくると思います。どんなに安定しているようにみえる事業でも、安定のための努力が不可欠です。時代の先取りをして、積極的に変化を捉え、安定するように会社を導くには涙ぐましい努力が必要だと思います。

世の中を変える要素は3つあると思っています。1つ目は技術変革で、近年めざましく進展しています。2つ目は社会構造。日本では特に少子化をはじめとする諸問題で社会構造が変わりつつあります。そして3つ目は文化が変わること。例えばインターネット社会が普及した結果、購買行動は明らかに変わりました。私が若い頃でいえば、ビートルズが反体制を訴えて、世界的に文化ががらりと変わったとみています。文化が変われば、企業経営も影響を受けます。

このように、常に変化が起こりうるわけです。そのなかで大事なことは、変化を無視しない、変化を恐れないこと。変化した結果どうなるのかを一生懸命勉強し、できれば先取りすることで、より安定した経営を実現できます。これがNIPPOの目指すべき方向性ではないかと考えます。

『 最後に、NIPPOに期待すること、伝えたいことがありましたらお話しください。 』

NIPPOの素晴らしい点の1つは、事業活動の主体が社会インフラ整備という、社会にとって不可欠なものを担っていることです。また、今までの経営努力が実って、企業体質が非常に強い。それから、組織の透明性が非常に高いと思います。社員の皆さんにとって、社内にいると気づかないことかもしれませんが、社外取締役だからこそ見えているといえます。社員の皆さんも、NIPPOで働くことへの誇りをもっともっと醸成して、さらに良い仕事をしていただきたいというのが本音です。

『 どうもありがとうございました。 』